ある動画サイトで「羽黒(ハクロ)トンボ」という全身真っ黒のトンボを見た。
普通のトンボと違って蝶のように優雅に飛んでる姿にはまってしまい、
ぜひ実物を拝んでみたいと思うようになった。
しかし俺が暮らしてるのはそこそこ都会の、近くに山や川もなければ田畑も見当たらない住宅地。
これは遠出しなければ無理かなと会社の同僚と雑談してると、その内の一人が「家の庭にわんさかいますよ」と。
仮にAとするが、Aは二十代の女性で実家暮らしだというが、
そのA家も周囲に自然皆無の地域で庭もほぼコンクリで埋め立てられ、
申し訳程度に一畳ちょっとの土肌が残ってるらしい。
調べたが羽黒トンボは川辺の湿地や薄暗い森林を好むので、そんなA家にいるとは思えなかった。
しかし逆にこれはAからのお誘い!?アプローチなのか!?
と、独身モテない君の俺はA(巨乳美人)に宙に浮かぶほど舞い上がり後日A家訪問を約束した。
で、先日の休みに行ってた。
嘘のようにわんさかいたよ、羽黒トンボ…
住宅街の、その中でも新しそうな洋風のA家の、
一畳ちょっとしかない土が出てない庭に、繰り返し動画で見た羽黒トンボはワサワサいた。
Aは「なぜか毎年、6~9月までトンボが大量発生するんですよ。
お隣や周囲のお宅ではこんなことないって言ってて、不思議ですよね」と笑ってた。
それでAが人差し指を掲げると、トンボがとまるんだよ。
俺がやっても駄目なのに、Aがやるとすぐトンボがまとわりつく。
本当に夢でも見てるような光景だった。
俺はそんなAのミステリアスで儚げな姿に完璧にノックアウトされ、
勢いに負けて頭下げて交際を申し込んだ。
振られた、泣きたい。
かっけーなこのトンボ
青が混ざってる個体がめちゃくちゃ綺麗
そうなんだよ、雌雄で腹の色が違ってまた綺麗なんだ。
四ッ羽が漆黒で全身がシャープで、何か見てると癒されるんだよな。
しかし今は見てると泣けてくる…
いつの日にか羽黒トンボが貴方のサウダージを呼ぶことになるのか
今はキツいだろうけど、思い出となった時には甘美に蘇りそうな
ハグロトンボ
ハグロトンボ(羽黒蜻蛉、Calopteryx atrata)は、カワトンボ科のトンボ。別名ホソホソトンボ。

すごいきれーなトンボ
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